タイルはく落防止工事ボンドアクアバインド工法とは?

タイルはく落防止工事の決定版。ボンドアクアバインド工法

ボンドアクアバインド工法は、コニシ株式会社が開発した外壁タイルのはく落防止システムです。
外壁複合改修工法として、予防保全の観点から長期にわたりタイルのはく落を防ぐ効果のある施工を実施します。

なお、タイルはく落防止工事の基礎知識についてはこちらをご覧ください。

ボンドアクアバインド工法の仕組み

ボンドアクアバインド工法では、タイル表面に薄いウレタン樹脂のはく落防止層の膜を作り、タイルのはく落を防止します。
ボンドアクアバインド工法は、複合改修工法です。アンカーピンとウレタン樹脂はく落防止層の併せ技により、タイルのはく落を面で防止するシステムです。

まず壁面劣化箇所に必要な補修を施し、その後ボンドアクアバインドZと呼ばれる独自開発された耐久性耐圧性に優れた透明な1液水性形ウレタン樹脂を塗布します。
このボンドアクアバインドZは、タイルの上に被さる薄い(0.25mm程度)の透明の板のような形ではく落防止層を形成し、壁面を一体化します。
そのため、建物の外観を維持したまま、長期に渡って壁面を保護しタイルのはく落を防止することが出来ます。

(引用:コニシ株式会社:EコH29-02:ボンドアクアバインド工法)

ボンドアクアバインド工法の特長

較べて下さい驚きの透明さ!

下の写真はボンドアクアバインド工法の施工前施工後の比較写真です。タイルの上にボンドアクアバインドZの保護膜層が存在していることがわからない程の透明さです。建物の意匠に影響を与えず工事可能です。

左が施工前、右が施工後の写真です。較べて見て下さい!

 

驚きの性能と品質

こんなに透明なボンドアクアバインドですが、優れた耐圧性を持ちます。
下図は、コニシ株式会社が実施したボンドアクアバインド工法押し抜き試験の写真です。試験体としてコンクリート板に陶磁器質タイルを張り、外壁内側から外に向けて圧力が発生した状況を想定し負荷をかけています。
60mm変位してもタイルが剥がれ落ちていません!

以下は、その他のUR都市再生機構品質判定基準の試験結果です。合格基準値の2倍以上、各項目要求性能を大幅にクリアしています。

試験項目 試験結果 要求性能 判定
コンクリート躯体に対するアンカーピンの引抜き試験 ∮4.7mm:2985N(2倍以上) 1470N以上 適合
 複合補修層に対するアンカーピンの引き抜き試験 ∮4.7mm:4028N(2倍以上) 1470N以上 適合
複合補修層の接着強度試験 

 タイル張り:1.8N/m㎡(2倍以上)

仕上げなし:4.3N/m㎡

0.7N/m㎡以上 適合
複合補修層の補強結果確認(面外曲げ)試験   変位30mmまで破断なし

 曲げ荷重490Nもしくは
変位30mmで破断しないこと

適合
温冷繰り返しによる耐久性試験 

タイル張り:1.9N/m㎡(2倍以上)

仕上げなし:3.6N/m㎡ 

 0.5N/m㎡ 適合

優れた作業性

ボンドアクアバインドZは一液水性形ウレタン樹脂です。そのため、ローラー施工が可能で、従来の繊維質のはく落防止層や特殊塗材の塗布と較べて高い作業性を発揮、工期短縮=コスト低減につながります。

木工用ボンドのコニシ株式会社と外壁改修工事

一昔前までは、1液型塗材は2液型塗材に対して耐久性耐候性に劣るのが常識でした。しかしボンドアクアバインドZは先の試験結果の通りの性能で、品質と作業性を両立しています。
開発は、どなたでも一度は見かけたことがあるであろう家庭用の木工用ボンドの会社、コニシ株式会社。このコニシ株式会社、実は建築業界、特に内装工事用接着材や、建築用接着材業界での樹脂・工法売りに関してシェア6割の巨人です。なんでも作れる会社。外壁補修材でコニシ株式会社が開発していないものはないと言っても過言ではありません。
ボンドアクアバインド工法は複合改修工法としての外壁リニューアルシステムです。タイルにひびや浮きがあれば補修を行い、欠損があれば埋めた上ではく落防止処理を行うなど非常に多くの材料が必要です。ボンドアクアバインド工法は全工程で一貫して自社開発の材料・工法を提供しています。このため高品質の工事が実施可能です。

施工技術者認定制度

ボンドアクアバインド工法認定証

ボンドアクアバインド工法認定証

ボンドアクアバインド工法は2017年夏に上梓された新しい複合改修工法です。その施工には材料を熟知した上での建物や気候条件に配慮した施工技術が求められます。
そのためコニシ株式会社は工法の適切な実施と品質の確保・徹底のために認定制度を設けています。
この徹底した施工管理体制により、認定業者の施工した工事については、工事完了後の10年間、掛け金等の負担一切なしに第三者賠償責任保険(PL保険)にご加入いただけます。

関西工業所は関西圏で初のボンドアクアバインド工法の施工実績を持つ認定業者です。なお、保険についてこちらも御覧ください。

安心の検査体制

検査書類の一部

検査書類の一部

先に述べた通りですが、ボンドアクアバインド工法はアンカーピンと1mmに満たないはく落防止層の組み合わせです。
その性能を十二分に発揮できるよう品質には最大限留意し、工事前工事後ともに他に類を見ない厳しい検査体制を取っております。
例えば塗料の厚さについて、実際に膜厚を測定するだけでなく、実際に使用された塗料の量、施工面積からの計算値と二重に照合を行い検査します。

 

ボンドアクアバインド工法の適用条件

注意事項として、ボンドアクアバインド工法の実施には適用条件があります。以下の条件を満たした場合に工事可能です。詳細についてはお気軽にお問い合わせください。またお見積の際には弊社にて調査させていただきます。

  • アンカーピンの引き抜き強度がエポキシ樹脂併用で1800N以上である。
  • アンカーピンをコンクリート躯体に25mm以上埋め込むことができる。
  • 建物の高さが45m以下であること。
  • タイルは陶磁器質・せっ器質とし、平面または凹凸の少ない面上であること。
  • タイルはラスター加工、光触媒加工されていないこと。
  • タイルに防汚コーティングなどの特殊塗材の施工がないこと。
  • タイルは二丁掛け以下であること。

※斜壁部は適用不可

ボンドアクアバインド工法の施工の流れ

ボンドアクアバインド工法の施工の流れを、実際に弊社で行った工事を例に説明させていただきます。
ボンドアクアバインド工法は複合改修工法です。下地処理を行った上で実施します。
なお、工事写真のギャラリーも設置しております。そちらもご覧ください

0.事前準備

事前準備として、2度の下地調査を行います。ボンドアクアバインド工法の適用可否を調査します。工事施工前の写真です。

一次調査

足場やゴンドラを使用せずに目視や打診により調査します。劣化部を確認します。

二次調査

足場やゴンドラを使用します。外壁の浮き、ひび割れ、欠損部などを直接確認し、劣化の程度や数量を確認します。
コア抜きやドリル穿孔等による既存仕上材の厚みを確認します。

調査の結果を踏まえ、施工計画書を作成します。

1.下地処理

既存タイル表面には経年で汚れが付着しており、ボンドアクアバインド工法の付着強度を確保するために下地処理が必要です。
タイル下地にひび割れ、浮き、欠損、鉄骨爆裂などが発生している場合は、従来工法にて適切に補修いたします。
特に、タイルひび割れに ボンドシリンダー工法、タイル陶片浮きに ボンドCPアンカーピンタイル固定工法
モルタル浮きにボンドピンニング工法 ボンドCPアンカーピン工法等、外壁複合改修工法として一貫した工事が実施可能です。
下地処理についてはこちらをご覧ください。

2.ドリル削孔

下地処理終了後、いよいよボンドアクアバインド工法の実施です。
アンカーピンを打ち込むための穴(直径6mm程度深さ25mm以上)をタイル中央部に削孔します。
無振動ドリルを電動ドリルと併用しますが、工事音の発生に配慮した工事計画が必要です。

3.アンカーピン打ち込みと樹脂注入

削孔した穴にアンカーピンを打ち込んでいきます。既存仕上材タイルを躯体と一体化しボンドアクアバインドZと組み合わせてタイルのはく落を防止します。
アンカーピンにはボンドCPアンカーピンE550/E570を用います。
アンカーピンの中央には樹脂注入用の穴が空いており、ここから2液型エポキシ樹脂(ボンドE208/E209)を注入します。
これによりアンカーピンを壁面内部から強固に固定できます。樹脂注入後はアンカーピンにキャップをします。
なお、このキャップは現場毎に既存のタイルの色に合わせて作成いたしますので、建物の意匠を壊しません。
キャップ後の写真です。

4.プライマー塗布

タイルとアクアバインドZとの接着を強固にするため、プライマー(下塗り)塗布を実施します。
溶剤系の一液溶剤系ウレタン樹脂(ボンドクリアプライマーN)を用います。速乾性を有しているため気候条件次第では最短1時間(概ね1~8時間)で次の工程を実施できます。
中毛ローラーで塗布していきます。

5.中塗り1回目

アクアバインドZを塗布します。この塗布は3回繰り返します。これによりアクアバインドZは、タイルに被さる形で、薄く透明なタイルはく落防止層を形成します。
中塗り1回目は目地を中心に塗布します。中毛ローラーで塗布していきます。

6.中塗り2回目

アクアバインドZを全面に塗布していきます。中毛ローラーで塗布していきます。

7.中塗り3回目

アクアバインドZを全面に塗布していきます。中毛ローラーで塗布していきます。

3度の塗布完了後、施工面が周囲の外観と馴染むようパターン付けを行います。

8.膜厚検査

アクアバインドZが適切に塗布できたか、塗装膜の厚さを検査します。塗膜の厚さが平均250μm(0.25mm)以上確保できているか確認します。
アクアバインドZはこの0.25mmの塗膜で、上述のような驚異の性能を発揮します。

9.トップコート1回目

最後に仕上げ材(トップコート)を塗布していきます。耐候性に優れた2液溶剤形シリコンアクリル樹脂のボンドクリアトップコートを使用します。
これにより風雨などからアクアバインドZのタイルはく落を防止層を保護するとともに、建物にツヤを与えます。中毛ローラーで塗布していきます。

10.トップコート2回目

1回目と同様に2回目のトップコート塗布を行います。

11.完了

これにて工事は完了です。外観を維持したまま建物はタイルはく落防止機能を獲得しました。

使用材料の乗り継ぎ目安時間

外壁補修工事は使用する塗材の乾燥や硬化を待って工程を進める必要があります。各工程の待機時間(乗り継ぎ時間)の目安は下記の通りになります。
各工程実施実時間に、乗り継ぎ時間、天候や周辺状況等を考慮したものが工期になります。

ボンドアクアバインド工法の保証体制

工事の完了が終わりではありません。ボンドアクアバインド工法では認定業者が施工した工事については、コニシ株式会社と提携保険会社により第三者賠償責任保険(PL保険)を用意しております。
これは、工事完成後の10年間について、第三者に対して最高2億円(免責20万円)までの保障を行います。
弊社は同工法の認定業者ですので、お客様の掛金等負担を一切なくご利用いただける制度となっております。
詳細は弊社までお問い合わせ下さい。

関西工業所はボンドアクアバインド工法の認定施工業者としてご相談に乗ります!お気軽にご相談ください!

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